SUMIDA MODERN

年表で振り返る

SUMIDA
HISTORY
& BEYOND

「ものづくりのまち」として発展してきた墨田区。地域ブランディング事業「すみだモダン」&「すみだ地域ブランド戦略」誕生の背景と、これまでの歩みをご紹介。

Illustration / Soo Chee(asterisk-agency)

1977
  • 中小製造業基本実態調査開始

  • MOVEMENT

    中小企業とともに歩みを進めてきた「墨田区」

    "Think small first"(小企業を第一に考える)―― 2000年代、ヨーロッパ小企業憲章とともに、イギリスのトニー・ブレア元首相が掲げたメッセージは、21 世紀の目指すべき未来として、当時世界中の人々に大きな感銘を与えた。そこから遡ること約20 年前、墨田区では、すでに「中小企業振興基本条例」を全国で初めて制定。墨田区における中小企業の重要性と、健全な発展、区民福祉の向上を目的にいち早く取り組みを始めていた。その背景には、墨田区の産業振興は「現場主義」に始まっており、1977 年から約2 年をかけ、区の職員が現場に出て実施した製造業実態調査があった。その後も「すみだ産業会館」「すみだ中小企業センター」の開館、区内のものづくりを中心とした製造業の受発注拡大を目指した企業台帳のデータベース化を進めていく。人と産業が調和したまちづくりの実現――官民連携の取り組みが始まっていた。

    現在(2021 年)、全国の多くの地域プロジェクトにも参加していますが、そのたびに、墨田区の動きは「実は30 年早いんだな」と改めて実感しています。

    すみだ地域ブランド推進協議会 理事
    MASAMI DESIGN
    主宰/ クリエイティブディレクター

    髙橋 正実

1979
  • 墨田区中小企業振興基本条例(全国初)

1983
  • すみだ産業会館開館

1985
  • 「すみだ3M 運動」開始

  • PROMOTION

    「すみだ3M 運動」とは?

    「すみだ3M(スリーエム)運動」とは、1985 年にスタートした、墨田区の産業PR とイメージアップ、地域活性化を図る事業。「小さな博物館」(Museum)、工房と店舗の機能を備えた、製造と販売が一体化した「工房ショップ」(Manufacturing shop)、付加価値の高い製品をつくる技術者である「マイスター」(Meister)の3 つの頭文字をとって「3M」と命名。3 つの運動をつなぎ合わせ、優れた産業と生産品をアピールしていく試み。江戸時代から続く伝統工芸のほかに、明治初期からの時計、革靴や革カバン、肌着、石けんなど日用品の生産地として、ものづくりの歴史や職人の技術に触れてもらう機会を創出する。

1986
  • すみだ中小企業センター開館(現在閉館)

1987
  • 書籍『 イーストサイド 』 刊行

  • MOVEMNET

    東京スカイツリー計画とともに
    「すみだブランド」育成プロジェクトが加速

    1987 年に刊行された書籍『イーストサイド』では、当時の墨田区の産業の実情と、未来への提言が語られていた。「墨田区のよさは」「製造業から商業への体質転換」「企画開発力が必要」「ひとりでは戦えない」―― そんな言葉が綴られている。あとがきに登場する「街はアクションを待っている」の言葉と呼応するように、1990 年代には、「すみだブランドの育成」の動きが活発化。商品・技術の開発支援をはじめ、ビジネススクールの開講など、その動きは加速度を増していく。そして、2006 年、墨田区への「東京スカイツリー誘致」が決定。さらにその高まりが増していく。

1996
  • すみだブランドの育成(新商品・新技術開発支援)
    開発コンサルティング事業開始

2004
  • 「フロンティアすみだ塾」開講

  • EDUCATION

    「フロンティアすみだ塾」とは?

    地域産業の次代を担う若手人材の育成を目指す私塾形式のビジネススクール。墨田区内在勤または在住の中小企業の後継者・若手経営者(45 歳程度まで)を対象に、塾頭である関 満博さん(一橋大学名誉教授・区の産業振興専門員)ほか先輩経営者等の実践的な講師陣が、約1 年間( 月1 回程度)、講義や他都市への合宿、交流会等を通して、成長の機会を促していく。塾生は毎年10 名程度募集。1 年間のカリキュラムでは、塾生同士が自らの成功・失敗などの経験を共有し、経営者としての覚悟、志、社会的使命感などを学び、直面する様々な課題を自ら考え、克服する力を身に付けていく。2004 年の開講より、2020 年までに189 名の卒業生を輩出。2021 年度は、17 期生の新たな生徒が入塾予定。

    「フロンティアすみだ塾」に参加することで、新しい事業にチャレンジする力と仲間をつくることができました。

    すみだ地域ブランド推進協議会 監事
    オレンジトーキョー
    代表取締役

    小髙 集

2006
  • 東京スカイツリー誘致が決定

2007「すみだモダン」誕生期
  • PURPOSE

    すみだ地域ブランド「すみだモダン」の誕生背景

    「すみだ地域ブランド戦略」の取り組みとして、まず手掛けたのが、「すみだらしさ」を明確にすること。墨田区は、江戸庶民文化の発祥地で、葛飾北斎など歴史上の人物ゆかりの地。また、隅田川花火大会をはじめ、江戸東京博物館、国技館など、魅力ある行事や名所も豊富。和菓子やちゃんこ鍋などの食文化もバラエティに富んでいる。いっぽう、江戸の伝統を現代に伝える熟練の手わざが生き続けるとともに、明治に日本の近代軽工業が発祥して以来、製造業が集積・発展し、現在も様々な業種の中小企業が活躍する「ものづくりのまち」という特徴を持っている。その背景を内包しながら、未来に向かって発信していく指針として誕生させたのが「すみだモダン」というブランド名称だ。「ロゴマーク・キャッチコピー・ステートメント」を用意することで、誰もが目指すべき姿を共有することができた。

2008
  • 「すみだ地域ブランド戦略推進検討委員会」発足

2009「ものづくりコラボレーション」事業
  • 「すみだ地域ブランド戦略」スタート

  • MISSION

    「すみだ地域ブランド戦略」の必要性

    東京スカイツリーの開業を3 年後に控えた2009 年。墨田区が日本全国、世界中から注目を集めるこの契機に、改めて区内の優れた商品など、「すみだの魅力」を通じて、墨田区の知名度向上を目指してスタートした取り組みが「すみだ地域ブランド戦略」だ。「ブランドとは?」=「お客さまがその商品やサービスを選ぶ理由」。よく知っている、安心、品質がよい、おしゃれなど、「すみだのものだから買ってみよう」という理由をつくることがブランド化だ。地域ブランドの場合は、さらに、観光地および生活する場所としての要素が加わり、「すみだに遊びに行ってみよう」「すみだにいつか住んでみたい」、その理由をつくることが重要となる。「すみだ地域ブランド戦略」では、改めて「すみだならではの強み」を明確にし、それに基づいて優れた商品やサービスを継続的に生み出し、お客さまに提供・発信し続けることで、墨田区を魅力的な町にしていくことを目指した。

  • 「ものづくりコラボレーション」事業スタート

  • PROJECT

    「ものづくりコラボレーション」事業がスタート

    「すみだ地域ブランド戦略」として2009 年に始まった新たな商品開発事業の柱が、「ものづくりコラボレーション」事業。墨田区の製造企業と著名クリエイターの共創により、市場価値の高い新商品を開発。また既存商品の改善や、PR 支援をすることで、新たな販路を開拓していく。2009 年に始まったこの取り組み以降、10 年間で参加クリエイターは50 名以上、開発商品は187 点に。

    大切なのは事業者とコラボレーターの双方が、時間をかけて理解し合い、お互いの強みを生かして共創すること。

    すみだ地域ブランド
    推進協議会 顧問
    メソッド 代表取締役

    山田 遊

  • DECLARATION

    「すみだモダン」宣言(4つの指針)

    • 江戸~明治~現代、DNA を受け継いでいく。
    • 地域の文化を、次世代へ届けていく。
    • ものづくりを通して、生活に彩りを約束する。
    • 人々の交流を通して、コミュニティを育む。

    上記を、すみだ地域ブランドの価値規定として設定し、商品開発や、プロモーションを通して「すみだモダン」を育てていくことに。ロゴマークには、"すみだ"のS のイニシャルとともに、隅田川の流れを表現した。

    大切なのは「古きよきもの」をどのように今の人の心に響くものとして打ち出していくか。それが「現代化」ということです。

    すみだ地域ブランド推進協議会 理事長
    IMA 代表取締役

    水野 誠一

年度末
  • 「すみだ地域ブランド推進協議会」発足

2010
  • 「すみだモダン」ブランド認証事業スタート

「すみだモダン」ブランド認証事業
  • 「すみだ もの処」オープン

  • PROJECT

    「すみだモダン」ブランド認証事業スタート

    地域で生まれた商品やメニューから、"すみだらしい"伝統と新たな提案性のあるものを発掘し、「すみだモダン」としてブランド認証する事業が2010 年よりスタート。認証候補の商品、メニューは、区内事業者から広く募り、すみだ地域ブランド価値規定(「すみだモダン」宣言)に合致するものであるか、事務局による書類審査と審査員による現物審査を行い、認証を決定していく。ブランド認証の発表は2010 年から2018年まで、過去9回行われ、商品部門では計145点、飲食メニュー部門では計60 点が「すみだモダン」としてブランド認証を獲得した。※認証点数は延数。

    宮田亮平さん、故 藤巻幸大さんなどの日本を代表する目利きの方をはじめ、運営陣、審査員ともに数多くの優秀な方が参画してくださったのが大きかったです。

    すみだブランド認証審査会 審査委員長
    兼すみだ地域ブランド推進協議会 理事
    GK デザイン機構 代表取締役社長

    田中 一雄

2012
  • 東京スカイツリー開業

  • 工場・工房見学イベント「スミファ」開始

  • 「産業観光プラザ すみだ まち処」オープン

  • PROMOTION

    ブランド事業となることで販路拡大

    墨田区の産業は、OEM(他社製品の受託製造)を行っているものづくり事業者が多く、自社の商品を開発しても、顧客に直接販売する、B to C の部分で大きな課題があった。「すみだモダン」というブランド事業(商品群)となることで、プロモーションも広がりをみせていく。販路開拓では「東京インターナショナル・ギフト・ショー」や「rooms」、食品フェアなど大型の展示会に出展。感度の高い人々が集う、表参道の「Spiral」や「DAIKANYAMA T-SITE GARDEN GALLERY」でも積極的に商品発表イベントを開催した。また2012 年には、東京スカイツリータウン内、東京ソラマチ5階に「産業観光プラザ すみだ まち処」を開設。観光客との接点となる。2020 年には、新しく開業した東京ミズマチに「SHOP & WORKSHOP すみずみ」をオープン。産業プロモーションの社会実験の場として、商品販売とイベントを実施し、新しい課題と解決策を見出す試みを続けている。2021 年には「スタイルストア」との連携によるEC サイトも開始した。

2015
  • 「すみだ地域ブランド戦略」がグッドデザイン賞受賞

  • 台湾デザインセンターとの覚書締結

  • PROJECT

    海外とのコラボレーション事業を実現

    「ものづくり」の好循環の輪は、海外との共創へと広がった。2013 年には、"すみだの技術力"に関心を持った「台湾デザインセンター」(当時、台湾政府の外郭団体)より、共創プロジェクトの依頼が舞い込み、2015 年に覚書を締結。台湾デザイナーと墨田区企業による新商品開発プロジェクト「台湾設計×日本精造」が実現した。両者の協力で生まれた商品は、台湾で開催された「台北国際設計大展2016」で発表され、展示ブースには台湾の蔡英文総統も訪れ、高い評価を受けた。その後も2019 年まで毎年、台湾で商談会やイベントを実施。

    協業を通して、職人精神や技術力を見習わせていただきながら、互いを高め合う最高のパートナーです。

    台湾デザインセンター
    (現:台湾デザイン研究院)

    崔 慈芳(さいじほう)

2016
  • 第10回産業観光まちづくり大賞経済産業大臣賞 受賞

  • すみだ北斎美術館開館

2017
  • すみだビジネスサポートセンター開設

  • 「SUMIDA CONTEMPORARY」スタート

  • PROJECT

    活発化するコラボレーションの輪

    「すみだモダン」=「ものづくりのまち」というプロモーションの拡大を背景に、海外デザイナーと" すみだのものづくり"企業の共創プロジェクトも活性化していく。イギリスのプロダクトデザイナー、バーバック・ハシェミ・ネジャドさんは、「江戸切子の腕時計をつくりたい」とその技術を持つ職人を求め、墨田区にコンタクト。精緻な文字盤には高い技術と正確性が求められ、それを可能にする江戸切子職人、山田真照さんとのコラボレーションが実現した。海外市場を見据えた墨田区発の「ものづくりコラボレーション」事業も開始。デザインディレクターにスイス出身のダヴィッド・グレットリさんを迎え、9人のデザイナー×6つの墨田区のものづくり企業が参加した「SUMIDA CONTEMPORARY」プロジェクトが実現した。

    プロダクトデザイナー
    バーバック・ハシェミ・ネジャド
    Studio David Glaettli
    デザインディレクター

    ダヴィッド・グレットリ
  • RESULTS

    数字で見る「すみだ地域ブランド戦略」

    事業の立ち上げから約10 年間。ゼロからスタートした取り組みは、様々な化学反応を生み、商品開発、認証、販売だけでなく、墨田区を知らない人へ"すみだ"を知っていただく機会創出へとつながった。「すみだ地域ブランド戦略」は、「地域・コミュニティづくり / 社会貢献活動」の分野で2015 年度グッドデザイン賞を受賞。

2020
  • 「ベストオブすみだモダン」発表

  • AWAED

    「ベストオブすみだモダン」を発表

    2009 年にスタートした「すみだ地域ブランド戦略」の10 周年を迎えた2019 年に、これまでの成果の検証、課題の整理、再構築に向けた取り組みを進めるために、2010 年から2018 年まで9 年間、公募&審査を行ってきた「すみだモダン」のブランド認証事業を休止することを決めた。そして、「すみだモダン」のブランド認証事業の集大成として、認証を継続している137 点の商品のなかから、特に「すみだらしさを体現している商品」として選定を行い、2020 年に「ベストオブすみだモダン」として、商品13 点を発表した。

  • 東京ミズマチ開業

  • 「SHOP & WORKSHOP すみずみ」オープン

2021「すみだモダン フラッグシップ」商品開発事業
  • スタイルストアとのECサイト連携開始

  • 新たな「すみだモダン」事業スタート

  • DECLARATION

    進化する「すみだモダン」

    2010 年代、「すみだらしさの再定義」「ものづくり事業(商品発掘・コラボレーション)」にフォーカスを定めて、約10 年間推進してきた「すみだ地域ブランド戦略」をさらに進化させるため、育て上げてきた地域ブランド「すみだモダン」の解釈の再検討を行った。その背景には、商品としてのものづくりに留まらず、近年、墨田区ではSDGs をはじめとした、社会課題解決のための仕組みづくりや、サービス、プロジェクトなど、先進的な取り組みを進める多様な担い手が多く集い、活動を広げていることが挙げられる。豊かな未来の実現のために生まれ、活動する「ヒト、モノ、コト」を広くサポートできるように、地域ブランド「すみだモダン」の定義をさらに進化させることにした。2021 年秋より、「すみだモダン」は「すみだ地域ブランド戦略」事業そのものを表す言葉とし、「ものづくりを通して、未来のスタンダードを創造し、人々の幸せを育む活動」として、リスタートする。

    新しいロゴは、" すみだ" の「S」、隅田川の流れをモチーフに。そして、炎のように揺れるカタチは、様々な活動をされる"すみだの人々の魂"を表現しました。

    「すみだモダン」
    新ロゴマーク制作ディレクター
    Hiromura Design Office
    代表取締役/ デザイナー

    廣村 正彰

  • PROJECT

    「すみだモダン フラッグシップ商品開発」事業スタート

    これまで「ものづくりコラボレーション」として、進められてきた商品開発事業は、2021 年の「すみだモダン」のリスタートとともに、「すみだモダン フラッグシップ商品開発」事業として進化を遂げる。「裾野づくりから、頂きづくりへ」という想いの下、これまで数多くのデザイナーと1年というサイクルで、毎年数々の商品を生み出してきた事業は、さらに「ベストオブすみだモダン」に選ばれたような長く愛される商品を継続的に生み出すため、3年間という時間をかけて、リサーチ、検証、製品・商品化というステップを踏む長期プロジェクトにシフトしていく。プロジェクトチームも、これまで複数のデザイナーが参加し多様なアイデアで多種の商品を生み出す方法をとってきたが、これからは、クリエイティブディレクターの統括により、ひとつの方向性を定め、その共通のビジョンの下、それに賛同する墨田区のものづくり企業とデザイナーが参加し、講義やワークショップを実施しながら商品開発を進めていく。

    商品開発におけるプロセスも変化を遂げています。デザイナーとの関係を少し新しく、経営者、社員、「みんなでデザインする」ことを目指します。

    「すみだモダン フラッグシップ商品開発」事業
    クリエイティブディレクター
    Hirota Design Studio
    代表取締役/ デザインディレクター

    廣田 尚子

SPECIAL BOOK

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手仕事から宇宙開発まで、
"最先端の下町"のつくり方。

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